マーケティング

マーケティングとは、使う理由の変遷

1、マーケティングとは
「現代経営学」の発明者ドラッガーによれば、マーケティングとは、「販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」
「売り込みしなくても」おのずから売れるような仕組みを作ることがマーケティングの本質と捉えています。

2、マーケティングを使う理由の変遷
マーケティングの権威、フィリップ・コトラーによればマーケティングを使う理由は4つの変遷を遂げています。

マーケティング1.0(1970年代以前)
需要に供給が追い付かず消費者に届ければ売れるという単純な社会構造で「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りの主導権は製造側にあったことが特徴です。従ってマーケティングを使う理由は製造者側の商圏把握にありました。

マーケティング2.0(1970年代以降)
1970年代になると、生産性が向上し、需要と供給のバランスがとれはじめたため、消費者に届ければ売れるという単純な社会構造でなくなりました。
「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りの主導権が製造側から消費者側に移ったことがマーケティング2.0の特徴です。
従ってマーケティングを使う理由は消費者のニーズ把握に移りました。

マーケティング3.0(1990年代以降)
1995年頃から、インターネットが一般に普及し、消費者は主体的に情報を収集、ニーズウォンツを満たせる製品サービスが簡単に手に入るようになりました。
インターネットの普及は、消費者に、環境問題をはじめ、貧困問題、少子高齢化問題など世界規模の社会問題を意識させるようになり、社会や世界のため、何かできないかがニーズウォンツに加わったのです。

その結果、消費者は、製品サービスの質のみならず、「社会に対する企業の考え方や姿勢」も商品の購買基準に盛り込むようになりました。
従ってマーケティングを使う理由に企業側の社会に対する姿勢を示すことも加わりました。

マーケティング4.0(2010年代以降)
2010年代に登場したスマートフォンは、SNSでのコミュニケーションを常態化させました。
消費者はオンラインとオフラインの間を自由に行き来し、ネットの口コミより、自身が所属する様々なSNSコミュニティの影響を受け、物事の最終判断するようになったのです。
このため、自社ブランドに熱狂し、SNSコミュニティの中で自社や商品サービスを推奨する人々を沢山生むことが、SNSコミュニティの時代を生き抜く企業の術になっています。
従ってマーケティングを使う理由はSNSコミュニティの愛着推奨を得ることが最大の目的になっているのです。

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